北海道うららか散歩

  • 宏楽園の紅葉3
    北海道に住んでいるので、うらうらと散歩中に携帯で写真とったりします。並べておきますので、和んでください。下のほうの桜が一番古いです。
2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

けんさく。

ついった

  • ついった
無料ブログはココログ

« 怒涛の週末でした。 | トップページ | ご復活おめでとうございます!! »

あなたは誰を許しますか

突然ですが、今でもわたしが戦慄する
幼き日の二者択一の話です。


当時私は幼稚園でした。
幼稚園ではすぐ泣く手間のかかる子で、
いまでも一年に4回も泣いたことを覚えています。

偶然ですが、わたしはプロテスタントの幼稚園にかよっていました。
でもそのころのお先生のお説教は、面白い話、以外のなんの意味も持ちませんでした。
いまではきれいさっぱり、おぼえていません。
キリスト生誕の紙芝居くらいですか、おぼえているのは。

ある日、母か姉が、気まぐれでわたしに買い物のお土産をかってきてくれました。
それは文房具屋さんでうっている小さな折り紙でした。
小さなプラスチックのケースにはいっていてそのいれものがキーホルダーになっていました。
のど飴の缶に外接の正方形をかき、それを9等分したくらいの大きさ、
といえば、わかっていただけるでしょうか。
それは小さな幼稚園生の手にも、さらに小さな、
妖精の落とし物のような折り紙で、じっさい小さな小さな小さな三角帽子の妖精の模様がかいてあったのです。

三人姉妹の末子で、ものなぞすべておさがりとあねのおなさけしか
もらったことのないわたしは、どれほど興奮したことでしょう。
さっそく、折り紙をあけて、かぞえました。10枚だったとおもいます。
そして10枚のうちの4枚で、さっそく、小さな小さな鶴を折ったのです。
子供のころのわたしは器用なのが親の自慢で、
そんな細工あっというまにできたのでした。

そして、「おお、よくつくったねえ、かわいい鶴だねえ」と一言言われたくて、
母に見せにいきました。
しかし買い物でつかれていた母は、「うーん、」
といってばてていました。
それならばとひとりずつ二人の姉にみせました。
「それがどうしたって。」
二人とも別々にくちを揃えて言いました。
なんだ、べつにたいしたわざじゃなかったか。がっかりです。
こうなると、父に見せる勇気はありませんでした。
くだらないものもってくるな、と殴られるとおもったからです。
父はその当時、何で腹をたてるかまったくわからない人でしたし、
うちは勿論のことDV家庭でした。姉がよく殴られていました。

それならば、とおもいついたのが幼稚園の先生です。
忘れもしない、旧姓松尾という若い女の先生でした。
「先生にほめてもらおう。」
わたしは鶴をこっそり幼稚園バックにしまいました。

翌日、鶴をもってきたのを思い出すと、先生に見せました。
「せんせいこれわたしがつくったの。」
はたして先生もそれがどうしたというだろうか。
まあダメ元だとおもいました。
しかし先生は、痛く感激してくれて、
「まあかわいい!これ自分でつくったの?!すごいわ!ちいさいのねえ、折り紙はどうやったの。」
「おりがみもね、こんっっっっっっなにちっちゃいの。」
というと先生はすぐさま
「みんなに見てもらおうね。」
といって、嬉々とした様子で、座っている皆に鶴をまわしてくれました。
「やったー」…わたしは内心ニヤリとしました。
「幼稚園の先生は親姉妹より御しやすいW」御すとかちょろいとかいうことばは知りませんでしたが、概念としてそう思いました。(幼稚園生はこのくらい考えてるんですよ、知っててくださいね)

「こんなかんたんな技でこんなに褒めてもらえてみんなに自慢できるなんて、
うれしいこった。」
とニコニコしていたわたしに、事件はおそいかかりました。

先生の怒鳴り声。園児のおおきな、つらい泣き声。
先生が怒鳴れば怒鳴るほどなき声は大きくなり
やがて先生がその源をひきずってわたしのところへやってきました。
それはわたしなんかへでもないほどの問題児の男の子で、色黒のキューピーみたいな顔をした、頭の悪い子(とわたしはそのときまで見下していた)です。いつも先生に叱られたりしては泣き、叩かれては泣き、というもう「いなくなってくれ」と思う様な子でした。体も小さくて、ワルどもからも仲間はずれにされていたので、早生まれだったのかもしれません。成長がおそかったのかもしれません。とにかく、「キューピー」というのが、彼について覚えているわたしの数少ない記憶です。


先生は自分が泣きそうな顔で、
「…セシリアちゃん、あのね…」
とわたしに言って少し黙りました。
そして、キューピーに「…自分で謝りなさい!!」とどなりつけました。
そしてキューピーがたまりこんで絶対言うものか、という態度になると、
先生がまた言いました。

「あのね、…これ…キューピー君が壊しちゃったの。」
そこには小さな鶴の残骸がありました。びりびりに破れているもの、2つ。
二つに分かれたもの、一つ。ひとつはくしゃくしゃになっただけでした。
「あのね…セシリアちゃんが、先生に褒められたのが、うらやましくて、悔しかったんだって。だから壊したんだって。」
しまったー、とおもいました。

壊されたからじゃない、泣かせたからじゃない、
わたしはとっさにこう感じたのです、
「やっぱこんなていどの業じゃくだらなかったか!キューピーよ!おまえ意外と物わかってんだな!親父とおなじか!もっとばかかとおもってた!」


「ごめんねってあやまりなさいいいいいいい!!」
先生の怒鳴り声が響く中、キューピーは絶対嫌だとクビをふりつづけました。
俺が正しい、俺が正しいと心の奥底から叫んでいるかのようでした。

まあぶっちゃけ、ただしくないですw

そのとき、どんな天使に雇われていたのか。
わたしは、泣き虫で「この上セシリアに泣かれたらあたし…」と新任の先生をなかせかけていたわたしは(そのぐらい子供はわかるんだよ、)

「べつにいいよ、あと6まいあるから、またつくる。」
ケロリとしてそういったのでした。

先生はぽかーんとしていいました。
「え…いいの。」
「うんいいよ。」
「キューピーくん許してあげるの?」
「ゆるしてあげるっていうか、べつにいいんだよ、ほら一つのこってる、先生にこれあげるよ。あたしはまたつくるからいいの。もうもってこないから。」

そのときのキューピーくんの悔しそうな顔といったら。
そうです、キューピーくんは、おさないながら、わたしを心底憎んでいて、きずついて大泣きすればいいとおもっていたようなのです。
わたしは乱暴な男なんて、愛する佐々木君以外目に入ってなかったので、キューピーくんに憎まれていることはこの時まで知りませんでした。そんな知能あるとおもっていなかったのです。まじめなはなし。わたしは近所に知恵おくれの子がいたので、「キューピーもあれだろ」くらいにおもっていました。(佐々木君…今でも理想…。優しくって動物や昆虫大好きの佐々木君…豪快に笑うあかるい太っちょの佐々木君…素敵だった…)

このときわたしは、まっとうに遊べもしない、育ちも浅いキューピーくんを喜ばせるため、泣くべきだったのかもしれません。そうしたらキューピー君は、自信がついたことでしょう。ワルとしての自信が。でもなぜだかわたしは許してしまったのです。泣き虫の私、家族からぞんざいに扱われていて、幼稚園や学校で目立とうと必死だった私、姉がなぐられるのをいつも見ていた私…。なぜ泣かなかったのでしょう。今でも不思議なのです。

多分、天使が私を雇っていたのです。
「同じように、先生に褒められたかっただけなんだキューピー君は。」
誰にも教えられず、わたしはそれをはっきり認識できたのです。
キューピーくんだって、ほんとは技をみせつけたかったけど、
できないんだ、ということが。それはみじめなことだとおもいました。
じぶんだったらつらい、と。
まっ、意地で褒められようとしたわたしもがめつかった、と思い、
小さな私はそれっきりまたキューピーのことを忘れました。


あのときわたしがもし、キューピーくんの行いに泣いていたらどうだったでしょう。
そのことを思うとヒヤリとするのです。
わたしは我知らず、キューピーくんをがっつり躾けたのでした。
怒りでも拳でもなく、笑顔で。


前日親姉妹に無視されたおかげで、わたしはそのとき、
「強くなってた自分」をはっきりかんじました。
わたしが泣くのは、理不尽な行いをいさめるためと、
痛さや恐怖に我慢できないためにかぎられるようになりました。



ちいさな子供にも、神様はついていらっしゃいます。
いえ、小さな子供にこそ、神様は目を注いでおられます。
今思えばキューピーくんは、私よりも家族から無視されたり、
姉よりも暴力を振るわれたり、親にののしられたりしていたのかもしれないのです。







枝の主日、エルサレム入場に、ホザンナ。

« 怒涛の週末でした。 | トップページ | ご復活おめでとうございます!! »

カトリック関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/115031/61353231

この記事へのトラックバック一覧です: あなたは誰を許しますか:

« 怒涛の週末でした。 | トップページ | ご復活おめでとうございます!! »

お出かけ・本・グルメ別宅